宮崎駿から学ぶ企業動画制作のヒント ~物語の作り方~

宮崎駿から学ぶ企業動画制作のヒント ~物語の作り方~

MVJコラム

「うちの会社の動画を作りたいんですが、どうしたらいいでしょうか?」

最近よくこんな相談を受けます。企業のブランディングや採用活動に動画は欠かせないツールとなっていますが、実際に制作となると「何を撮ればいいのか」「どう構成すればいいのか」と悩む方が多いようです。

そこで今回は、日本を代表するアニメーション映画監督・宮崎駿さんの手法から、企業動画制作に活かせるヒントをご紹介したいと思います。アニメーションと実写は違うジャンルですが、「物語をどう作り、どう見せるか」という点では共通する部分が多いのです。

なぜ宮崎駿なのか?

宮崎駿作品の特徴は、複雑な物語を「わかりやすく」「印象的に」伝えることです。例えば『千と千尋の神隠し』。異世界に迷い込んだ少女が、両親を人間に戻すため奮闘する...という物語の軸がブレることなく、かつ様々な登場人物や世界観を織り交ぜながら観客を魅了していきます。

これは企業動画でも同じことが言えます。「会社の強み」「社員の想い」「事業内容」など、伝えたいことは山ほどありますが、それを整理して「核となるメッセージ」を軸に据えることで、より印象に残る動画になるのです。

物語作りの基本

宮崎駿は企画段階で「絵コンテ」を重視します。これは各シーンをコマ割りで描き、カメラワークや動きを細かく指示するものです。実は私も以前、ある建設会社さんの企業PRビデオを作る際、この手法を取り入れてみました。

「建設現場の安全管理を徹底的に行う」という会社の強みを伝えるため、朝礼から始まり、現場での確認作業、社員間のコミュニケーション、夕方のミーティングまでを時系列で並べ、「1日の流れ」という物語として構成したのです。

事前に簡単な絵コンテを作ることで、

  • どんなシーンが必要か
  • どんな順番で見せるか
  • どこでどんな言葉を入れるか が明確になり、撮影もスムーズに進みました。

印象的なシーンの作り方

宮崎駿作品では、物語の転換点に必ず「印象的なシーン」が置かれています。例えば『となりのトトロ』でメイちゃんがトトロと出会うシーン。大きな木の洞の中で、ころころと転がって眠るトトロを発見する場面は、観る者の心に強く残ります。

企業動画でも同じように、「印象的なシーン」を意識的に作ることが大切です。ある製造業の会社PRビデオでは、創業者が初めて開発した製品を大切に磨く現社長の手元をクローズアップで撮影。「モノづくりへの想いは、世代を超えて受け継がれている」というメッセージを、言葉ではなく映像で伝えることができました。

音楽とナレーションの使い方

宮崎駿作品では、久石譲さんの音楽が物語の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっています。企業動画でも、BGMの選び方は意外と重要です。

「明るく軽快な曲調」は会社の活気を表現するのに向いていますが、製造現場や建設現場のような「プロフェッショナルな仕事」を見せる場面では、より落ち着いた曲調を選ぶことで「信頼感」や「技術力の高さ」を演出できます。

実践のためのポイント

最後に、企業動画制作で特に意識してほしいポイントをまとめてみましょう。

  1. メインメッセージを決める
    • 「技術力の高さ」「働きやすい環境」など、一番伝えたいことを絞る
    • それに沿った場面を選んで構成を組み立てる
  2. 時間配分を考える
    • 2〜3分を目安に
    • 導入→展開→まとめの流れを意識する
  3. 印象的なシーンを作る
    • 朝の風景や夕暮れなど、時間帯を活かす
    • 人の表情やしぐさにこだわる
    • ドローンなど、特殊な撮影も効果的に
  4. 音楽とナレーションのバランス
    • BGMは場面に合わせて使い分ける
    • ナレーションは必要最小限に
    • 現場の音も大切な演出要素

宮崎駿は「物語は観客のためにある」と言います。企業動画も同じで、見る人のことを考えて作ることが大切です。「どんな人に見てもらいたいか」「何を感じてほしいか」を常に意識しながら制作を進めていくことで、より効果的な動画が作れるはずです。

もちろん、プロの映像制作会社に依頼するのも一つの選択肢です。私たちのような制作会社は、企業の想いを形にする「通訳者」としての役割を担っています。まずはお気軽にご相談ください。皆さんの会社の魅力を、より多くの人に伝えられる動画を一緒に作っていきましょう。

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