需要激増!? コロナ禍でのライブ配信〜忖度なしのガチお見積もりシミュレーション〜

需要激増!? コロナ禍でのライブ配信〜忖度なしのガチお見積もりシミュレーション〜

MVJコラム

こんにちは、株式会社モーション・ビジュアル・ジャパンです。昨今は、コロナ禍の影響によって、企業も社員総会はもちろん飲み会なども安易には行けない世知辛い世の中でございます。この自粛ばかりの日々も早く終わってほしいものです。

そんな情勢下で、我々映像制作会社がいただくご依頼の中で激増しているジャンルがあります。それが、ライブ配信。弊社には、地方局で報道番組のディレクターを担当していたスタッフもいますので、本日は現場経験を併せた、ライブ感ある(ライブだけに!)生のお見積もりシミュレーションをご紹介します。

ライブ配信とは?

ライブ配信の需要が高まっているのは、さまざまな理由が考えられるでしょうが、大きい要因としては、ZoomやClubhouseといった媒体の台頭によって誰でも簡単にテレビと同じように情報発信をしやすくなったこと、そしてライブ配信に必要な機材が簡単に手に入るようになったこと、そして何よりコロナ禍の影響により対面でのイベント等が難しくなったことの3点が挙げられます。

弊社においても、特にコロナ禍に入ってから、全社総会や企業説明会などをライブで行いたいというご依頼が急増しています。しかし、それに伴って、業界的には価格競争が発生しています。弊社の経験から言えば、安易に安価な業者へ依頼するのはリスキーです。では、早速事例をもとに、何にどれだけの費用が発生するのか見ていきましょう。

ライブ配信:依頼例

会社:ホームページ企画・WEB制作の会社。
目的は全社総会。

依頼概要

・司会進行役は弊社で対応、
・カメラ・音声はお願いしたい。
・予算としては、40万円程度
・場所としては本社会議室でライブを行って欲しい。
→基本的なネット回線環境はあり、途中で接続が切れても対応できる社員がいるので、弊社で対応する。
・皆さんからの質問にもオンタイムで対応していきたい。社内チャットなども飛ばすことが確認できる形になっているので、映像でのやりとりは不要。

ライブ配信(全社総会) 株式会社モーション・ビジュアル・ジャパン対応例

上記の依頼例に記載されている内容のみですと、弊社からは下記のようなヒアリングをさせていただきます。もちろんお電話やZoomでお話する場合もございますし、直接お話する機会をいただく場合もございます。

※下記はQが弊社からの質問、Aは事例の回答例になります。

Q:会議室での客入れはありますか?
A:会議室での客入れはコロナの影響もありますので、しません。ですが、社内での質問は社内のハングアウトチャット(普段使用のもの)でオンタイムで受け付けたいと思っています。

Q:会場での映像出しは必要ですか?
A:今のところ、映像、パワポの投影などを行う予定はありません。

Q:カメラ1台、マイク1本で対応可能ですか?
A:スピーカーが複数人、場所が何箇所かに別れる等によってカメラが複数台必要になる場合があります。また、スピーカーは基本司会1名で進行し、社長と役員の講話、アイスブレイクなどを行う予定です。マイクは順次、そこで回していく予定ですので、マイクはもう1本予備で待機させておきます。

Q:ライブ配信用のPCは御社ご用意で宜しいでしょうか?
A: ・ライブ配信用のPCはインテルCore i5で配信をしようとしています。

Q:1週間以上前に下見のお時間を頂戴したく思います。特にネット環境や、実際配信に用いるパソコンがライブ配信において問題なく作動しうるものであるかどうかなどをチェックさせていただきたいです。
A: 1週間以上前の下見であれば、問題ないです。

補足事項

・カメラ台数が大幅に増えることで、上記のお値段には若干の変動があります。今回の事例のように、本社会議室での撮影で、自社ネット回線を使ってほしい場合、とりあえずそのままでお見積りを作成します。

しかし、下見の段階で回線速度が担保できないことが発覚すると、再見積もりを提案します。回線速度は、実際に同じ曜日や時間で測定してから判断するのがベストですが、下見の結果、回線をこちらで用意し、さらにカメラ台数を増やしたほうが良いと判断した場合、追加予算で30万~プラスになります。

とはいえ、通常は配信専用回線を用意してライブ配信の行うのがスタンダードです。クライアントが用意する回線でもしトラブルが起きたとしてもこちらは責任を負えないのです。専用回線を用意したほうが安心です。「絶対に失敗が許されない1発勝負」がライブ配信。可能な限り、万全の体制で臨むべきです。体制で言えば、単にネットワーク周りに詳しいということで、自社スタッフの方にお任せするのも危険です。ライブ配信にはかなり専門的な知識を必要としますので、基本的にはこちらでスタッフを配置します。

・今回の事例では、映像だしはしない設定にしていますが、配信当日に現場へ行ってから「パソコンからパワポの映像出したいんですけど」「映像を会場にプロジェクターで映したい」といったリクエストをいただくことがあります。これらは基本的に当日では何ともならないので、お打ち合わせの際にお伝えいただいた方が無難です。

ライブ配信で注意したいこと

ライブ配信はテレビのニュース番組の中継と比較的似ており、ライブは一発勝負であるだけに直前のトラブルやライブ中のトラブルが起こらないよう細心の注意を払います。ニュース番組の中継であってもいわゆる「放送事故」が発生するように、どれほど入念な準備をしてもトラブルは発生する可能性があります。そのリスクを回避し、失敗できない以上、時間をかけて事前準備が必要です。単純なライブ配信でも最低2時間は確保するのが一般的。会場での準備が前日から可能であれば、一番安心です。

ライブ配信なら編集作業もないから安いのではないかと考える方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。ライブ配信では、いかにリスクを減らしてお仕事を完遂するかが大切な部分となります。本番は数時間でも、その準備にかける時間や人材はその何倍にもなりますよね。
ちなみに弊社のHPにはライブ配信が18万~と書いてあります。

https://www.d-pv.jp/price.html

なので、20万程度で予算を想定されてお問い合わせいただくと、「あれ?高いじゃん」となるかもしれません。

ライブ配信に対して思うこと

いかがでしたでしょうか? 今回は、最近特に需要が急増しているライブ配信にかかる費用等のお見積もりシミュレーションでした。ライブ配信は、確かに魅力があります。「その瞬間、その場所でしか味わえない臨場感」「すぐに視聴者のレスポンスが見れる」というのはライブ配信でしか得られないもの。しかし、そのライブ配信というのは、最先端の現場を知るプロとしての視点で言えば、これほどまでにリスクが潜んでいます。映像制作会社への依頼をするにしろ、自社スタッフのみでやるにしろ、綿密に打ち合わせて、最高のライブ配信にしていただく参考になれば幸いです。

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